水回り（キッチン、トイレ、バスルームなど）のリフォームを行う際、住みながらの工事が可能なケースもあります。

しかし、工事の範囲によっては、料理や湯沸かしといった日常生活に必要な活動が困難になる場合も考えられるでしょう。

この記事では、水回りリフォーム時の「在宅施工」の可能性と、それによって生じる課題に焦点をあてて解説します。

 

在宅でのリフォーム実施

前述したとおり、水回りリフォームは改修範囲によっては、住みながらの工事が実現できます。

とくにキッチン、トイレ、バスルームといった限定されたエリアの工事の場合、工期はだいたい1週間程度と比較的短く設定されるのが一般的です。

床や壁紙の更新作業など、簡易的なリフォームであれば数日で終了し、施工過程を自宅で観察することも可能でしょう。

水回りリフォーム中は、多少の不便はありますが、部分的な作業であれば生活に大きな支障は生じにくいです。

 

 

全面改装の場合

全面改装を行うと、工事の範囲が広がり、家全体のリフォームが行われるのが一般的です。

このタイプのリフォームでは、多種多様な専門の職人が関わり、工事開始から完了までの期間も長引くことがあり、「一時的な引っ越し」を検討する人も多いでしょう。

全面リフォームでは、生活の快適さを維持しながら施工を進めることは難しく、住みながらのリフォームは不可能ではないものの、あまりおすすめはされません。

水回りのような比較的短期間で完了するリフォームは在宅での対応も可能ですが、大がかりな改装では、リフォーム業者との密な相談が必要になります。

 

 

大規模な水回りリフォーム

さきほども解説したとおり、キッチンのガスコンロをIHクッキングヒーターに更新する、トイレのモデルチェンジといった限定的な水回りリフォームは、住みながらでも対応が可能です。

しかし、改修作業が広範囲に及ぶ場合は、リフォーム工事の内容が複雑化するため、住みながらでは対応が難しい状況になります。

たとえば、従来の浴室からユニットバスへの更新、和式から洋式トイレへの変更、人気のアイランドキッチンへのモデルチェンジなどが該当します。

キッチン、トイレ、浴室を含む全面的な水回りリフォーム、いわゆる3点セットのリフォームも、同様に居住が困難です。

水回りリフォームの主な課題は、日常生活に欠かせない機能を一時的に停止させることにあります。とくに「水」の使用が長期にわたって不可能になると、日々の生活に大きな影響が出ます。

古い設備のある住宅では、解体作業が必要になる場合もあるでしょう。そのため、トイレが使えなかったり、お風呂に入れなかったりするよりも、仮住まいへ移ることでリフォーム完了を待つ方が良いと考えられます。

 

 

工期の把握と準備

水回りリフォームの工程期間は、依頼する内容によって変わります。

リフォームの全体工期をあらかじめ把握しておくことが大切です。

工期が長期にわたる場合、仮住まいを見つけて移動する必要があるため、計画的に仮住まい探しをすることが求められます。

水回りを使用できる時期についても事前に確認しておく方が良いでしょう。

とくに、トイレの利用は日常生活に直結するため、リフォーム期間中は仮設トイレの利用が必要になる場合があります。こういった部分もリフォーム会社に確認し、しっかり対策を講じてもらうことが重要です。

リフォーム中は、特定の箇所が一時的に使用不可能になることを念頭に置き、代替え手段を考慮しなければなりません。たとえば、浴室リフォームの場合は公衆浴場の利用や、仮設トイレの導入が考慮される場合があります。

工期に関する情報は、リフォーム開始前にしっかりと確認し、準備を整えておくことが望ましいです。

 

在宅でのリフォームを検討する際のポイント

工事期間が延長する場合、水回りの利用制限だけでなく、騒音や振動、解体作業から発生するホコリやゴミなどの問題が生じる可能性があります。

とくに気にならないという方は在宅でのリフォームも対応可能ですが、高齢者、幼児、ペットがいる家庭では、生活の質を保つためにも、一時的な引っ越しを検討するのがおすすめです。

 

まとめ

一括での水回りリフォームの実施は、作業の効率化とコストの削減につながります。

在宅でのリフォームを行うか一時的に別の住まいに移るかは、専門業者に相談のうえ、家族全員で慎重に検討することが大切です。