防火・耐火性能の強化には
防火対策でもっとも大切なのは、日常からの火元管理です。
定期的なガス配管・漏電のチェックや、ゴミ・可燃物の適切な取り扱い、待避経路の確保など、日ごろの心がけが暮らしの安心を守ります。
しかし、近隣住宅からのもらい火事や突然の災害などは、どんなに気を付けていても防ぎきれないもの。
火災に強い住まい作りのための対策が以下のようにあります。
▷屋根
近隣住宅で火災が発生したとき、屋根には舞い上がる火の粉が直接当たることになります。
火が屋根を突き抜けてしまえば、住宅内部へ延焼することにつながりかねません。
そこで、桟瓦(さんがわら)やスレート、耐火性の高い金属などを使用して屋根の耐火性を上げています。
▷外壁
住宅の外壁にも高い防火性が求められます。
例えば、準防火地域に指定されている土地に住宅を新築・リフォームする場合、直接火災にさらされた場合でも1時間は住宅内部の支柱が燃焼温度まで上昇しないような外装が必要になる場合もあります。
そこで、ラス網(金属網)を利用してモルタルを厚くしたり、セメントと木材などの繊維質を高温・高圧で成形した窯業系の外壁材(窯業系サイディングボード)を用いたり、アルミニウム合金などの金属系サイディングを用いた施工を行います。
▷開口部
窓や出入り口、換気口などの開口部からも火災は燃え広がるおそれがあります。
外部に面した開口部には網入りガラスをはめ込んだスチールサッシや防火扉を設けたり、水を膜状に散水するドレンチャーを設置して延焼を抑えます。
【台風・竜巻・ゲリラ豪雨等の対策】
台風・竜巻・ゲリラ豪雨等の対策 大切な住まいを突風や大雨から守るには、窓ガラスを保護することがもっとも大切です。
雨戸やシャッターを備え付けたり、万が一のガラス破損にそなえた防災防犯ガラス、耐震ガラスを採用すると安全性は一段と高まります。
▷雨戸
後付けリフォームが可能な雨戸ですが、窓のサイドに雨戸を収納するスペースぶんの壁が必要になります。
また、すでに雨戸がある住宅でも、故障していたら万が一のとき役に立ちません。
スムーズに開閉が可能か、ガタつきや雨漏りがないか、平時に確認しておきましょう。
▷シャッター
〈プラインドタイプ〉
雨戸を設置できない場合でも、ブラインドシャッターなら手軽に取り付けが可能です。
スリットの角度を調節して採光を調節できるので、省エネにも大活躍します。
〈電動タイプ〉
リモコンでシャッター開閉が可能な電動シャッターは、高齢者の住宅でも安心です。
集中制御システムを使えば、いちどの操作で複数の窓シャッターを開閉することも可能になります。
※既存の雨戸を電動シャッターに変える場合は、雨戸の形状によって施工日数や外壁の施工範囲が変わるため、注意が必要です。
▷防災・防犯ガラス、耐震ガラス
衝撃を加えても割れづらく、破片が鋭利になりにくいガラスは、製造業者により「防災ガラス」「防犯ガラス」「耐震ガラス」などさまざまな名称があります。
現在、一戸建ての低層階部分でおもに防犯を目的として急速に広まりつつありますが、防災にも大きな効果があると言われています。
また、既存のガラスに飛散防止フィルムを貼ることもガラス破片によるケガ防止に大きく寄与します。
【ライフライン・エネルギーの確保】
大災害時にはライフラインの寸断により、電気や水道などが一時的に使用できなくなる可能性があります。
ふだんから生活の維持に必要な生活物資を確認・確保しておくことが重要です。
▷電力の確保
<太陽光発電>
近年、太陽電池技術の進歩により、家庭用の太陽光発電パネルでも比較的大きな電力を確保できるようになりました。
太陽光発電システムがあれば、災害時においても、日中なら平時と大差ないレベルで電気を使うことが可能になります。
<家庭用蓄電池>
また、太陽光発電によって作った電力をリチウムイオンバッテリーなどの蓄電池に貯めるシステムがあれば、平時に余った電力を即座に災害時の電力確保に回すことができます。
いつ来るか分からない大災害にも安心の仕組みです。
▷生活用水の確保
<配管の途中に専用タンクを設置する>
意外と知られていないのが、水道配管内タンクの設置。
この方法を用いれば、常に新鮮な水を確保できるとともに、普段の生活にもなんら制約を及ぼすことがありません。
<雨水タンクの設置>
飲用にやや不適ではありますが、生活用水の確保に絶大な威力を発揮するのが雨水タンクです。
水洗トイレや洗濯、消火など、飲用以外の水の用途もたいへん幅広いもの。
庭仕事での水まきや洗車、外壁の清掃などにも利用できるため、災害のない平時に利用できるというメリットもあります。
タンクの容量や価格は、数千円の手軽なものから200リットルクラスの高機能なものまでさまざまです。
自治体によっては雨水タンク設置の補助金制度が設けられているので、お住まいの自治体に確認を取ってみると良いでしょう。
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